Uchi KazJob:Designer

21 Jan., 1979
:Saitama, :Shibuya

僕のハーレーダビッドソン

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実はバイクを持っている。
ツインプラグ仕様の1998年製XL1200S、HARLEY DAVIDSON SPORTSTERだ。

バイク歴は大阪在住時代の2003年〜。
当時はHONDA SHADOW400に乗っていて、毎週のように京都や奈良・神戸などに出掛けていた。
淡路島一周や四国うどんツーリングなどにも行った。
四国の祖谷帰り、剣山での遭難などは良い思い出です。

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スポーツスターとは今から10年程前、友人とバイク屋に行った時に出逢った。
無職無貯金で大型免許も持ってなかったが、なんとなく行ったハーレーショップでエンジンをかけてもらった途端に惚れ込んで、その場でハンコを押してしまった。
トルクが太く、背中を蹴飛ばされるような加速が素敵なバイク。
真鍮製のマフラーから吐き出される重低音は、目的地への高揚感を最高潮に煽り立ててくれる。

そんなハーレーの売却を考えている

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ところが、2011年以降、こいつは一度も動いていない。
事故ったわけでも壊れたわけでもない。

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子供が産まれてから初めてバイクに乗った時、道路脇でミンチになって死んでいる自分をリアルにイメージしてしまった。
基本的にバイクは身体がむき出しなので、危険度が段違いであり、乗車時は常に死をイメージしていたのだけれど、この時のイメージはこれまでとは生々しさが違ったのだ。

どんなに気をつけて安全運転をしていても、事故は向こうからもやってくる。
あの乗り物は、自分の命に責任と覚悟を持った人間だけが乗っていいもの。
もしも勇気があったら、「Motorcycle crash death」でGoogle画像検索(超グロ注意)をしてみるといい。
子供や嫁に、原型のなくなった父親を見せるような事はしたくない。
要するにビビったのだ。

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とは言え、自分にとってバイクはとても大切なものだった。
社会的にマイノリティであるバイクは、精神的な迎合を忌み嫌ってきた厨二病のアイデンティティそのものだった。
乗らなくても、持っているというだけで、辛うじて維持出来ていたソレを、売却してしまうことでゼロにしてしまうことに抵抗があった。
ただでさえ、愛車に国産現行車のXVを選んだりと、結婚出産を機に失ってきてるんだ。

ところが、乗らなくなって4年、第二子が生まれる4月を目の前に、そろそろ潮時かなと思い始めてしまった。
春の風に運ばれてくる花の香り、夏の山中でぶつかる水の湧くポイントの冷気、秋の収穫時期の土の匂い。
どれもこれもバイク乗りにだけ許された、肌で旅する感覚だ。
時折、目の前を通りすぎていく鉄馬を見るとなんとも言えない気持ちになる。

娘と嫁に嫌われ、家と家族に居場所がなくなった時に、またバイクへ還る事を心に誓っています。
腰抜けとでもなんとでも言うがいいさ。

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